• 重症ニキビ
• 難治性ニキビ
• 酒さ
• 毛穴の開き
• 毛孔性苔癬

イソトレチノインは、欧米では重症ニキビに対して第一選択の内服薬です。
内服抗生剤でも効果が見られない場合に使用します。重症ニキビの薬ですが、酒さや繰り返しできる赤いプツプツにも非常に高い効果を発揮します。 体質改善効果もあり、20週間の内服を終了したあと長期にわたり効果が持続します。場合によってはもう1クール追加することもあります。

イソトレチノインとは？

イソトレチノインはビタミンＡ誘導体の内服薬で、重症のニキビの治療に使用します。欧米ではニキビ治療薬として、40年以上の歴史がある薬剤です。抗生剤の内服や様々な治療でも改善しない、難治性のニキビの方にオススメです。
イソトレチノインには、アキュテイン・ロアキュテイン・ロアキュタン・アクネトレント・イソトロイン・トレティバなどがありますが、全て同じ成分です。

イソトレチノインの特徴

• 重症のニキビに劇的な効果を発揮します。
• １日１回の内服のみで十分な効果が期待できます。
• 皮脂を作る皮脂腺を縮小させ、皮脂の分泌を抑えます。
• アクネ菌に対する殺菌作用、抗炎症作用に優れています。
• ２０週間の内服を終了した後、３～５年にわたりニキビが出来にくくなります。
（再発した場合もう１クール追加する場合もあります。）

軽症ニキビの方にも処方可能

保険診療でなかなか治らない方や繰り返す軽症ニキビの方にも処方可能です。

毛穴の開きにも効果的

イソトレチノインは、毛穴の治療にも有効です。皮脂腺を縮小させ皮脂分泌を大きく減らすので、毛穴を縮小させる作用があります。
イソトレチノインは細胞に働きかけて、表皮細胞を正常化する働きもあります。皮膚の細胞が正常に働くようになると、異常な角化（皮膚が厚くなり、毛穴が詰まる）が起こらなくなり、肌が滑らかになっていきます。

毛孔性苔癬 (二の腕のブツブツ)にも効果的

毛孔性苔癬は、二の腕などに赤や茶色の小さなブツブツやざらつきなどの症状があります。
皮膚の毛穴に、角化した1～3mmほどの大きさの発疹がたくさんできる「さめ肌」と呼ばれることもあります。二の腕のほかに 肩、背中（肩甲骨部あたりの背部）、臀部（おしり）、太ももにもできることがあります。
通常はダーマペン４で治療を行いますが、イソトレチノインの表皮細胞を正常化する働きで異常な角化（皮膚が厚くなり、毛穴が詰まる）が起こらなくなり、毛孔性苔癬を改善することができます。

イソトレチノインの飲み方

体重1kgあたり0.5〜1.0mgの容量がオススメです。

一般的にはイソトレチノイン20mgの内服から開始します。 体重のある男性や集簇性ざ瘡、膿疱性ざ瘡など重度の方は40mgから始めることもあります。
比較的症状の軽い方や慎重に治療を進めたい方には低容量の10mgから行うこともできます。

再発を防ぐには、体重1kgあたりトータル120~150mgの投与が目安です。

イソトレチノインの量（mg）×内服期間（日数）÷体重（kg）＝120~150
例えば体重50kgの方の場合
10mgで20~25ヶ月の内服、
20mgで10~12.5ヶ月の内服、
40mgで5~7.5ヶ月の内服が目安となります。
ただし日本人の場合は,これより少ない投与量で大丈夫なことも多いので、投与量は治療効果を確認しながら決めていきます。

副作用と注意事項

• 内服中に妊娠すると胎児に奇形が生じることがあります。基本的には20週間（約５ヶ月間）継続して内服していただきますが、服用中と服用後1ヶ月間の期間は妊娠できません。
また、現在妊娠している方、近いうちに妊娠を希望されている方、授乳中の方は、服用できませんのでご注意ください。

• 精神疾患（うつ病等）で治療中の方、肝臓疾患で治療中の方など、イソトレチノインの適応ではないと医師が判断した場合は、処方できませんのでご了承ください。ただし最近の研究では、実際の因果関係は疑問視されています。

• 服用中は、ビタミンＡ含有のサプリメントを服用する事ができません。

• 粘膜の乾燥症状（唇の乾燥、ドライアイ等）が見られる事があります。多くの場合は、市販のリップクリーム等での保湿で対処できる程度です。症状が強い場合は、ご相談ください。

こんなお悩みに適しています